北海道百年記念塔。この塔は北海道開拓百年を記念し、北海道の発展を願って1970年に竣工した。一方で、入植植民地主義の観点から見ると、北海道命名以前からこの地に住んでいた先住民であるアイヌの歴史を無視した、侵略の塔としての一面も存在する。2023年、この塔が解体されている。跡地に新しいモニュメントが計画されているが、多様性・共生という言葉の裏に、この塔があったからこそ可視化されていた、開拓とアイヌの歴史の問題をどこかに忘れてしまう気がしまう。
記念碑の本質は残ることではないか。
ここでは、北海道百年記念塔の部材を解体して、それを16個の建築群に再構成することを考える。これらは、都市の機能を持ちながらも、開拓によって作られたグリッド都市の上に、かつてアイヌが暮らしていた時代にこの場所を流れていた川の流れを浮かび上がらせるように配置され、イマジナリーな川のラインが都市を歩く身体体験の中で浮かび上がる。
かつての記念碑は、形を変えながらも残り続け、この場所の歴史や記憶を伝え続ける、明日の記念碑 となる。
卒業設計 構想・制作 2023.11 ~ 2024.2









